物語って何

 

 

たまたまゴールドラッシュから

スコップとバケツとズボンで大儲けした人間がいるように、世界には生産者のための道具を作ることでお金持ちになる人間がいる。
彼らの話は物語になる。歴史と物語って何が違うんだろう?

 

歴史は単純に起こった事実だけを、記すもの?物語は歴史の登場人物達が思ったことや感じたことも記すもの?
基本的に、歴史より物語のほうが面白い。織田信長が、今川義元をぶっ殺した。よりも、今川義元をぶっ殺さないと織田信長が滅亡するからぶっ殺した。と表現するほうが、信長の心の動きがわかっていい。それはそれとして、彼らが何を思ったのかは関係なしに面白い光景もある。光景ってことは誰もが理解できる客観的な事実のことだ。


工事現場の前に置いてある赤パイロットコーンにぶつかってころんだ人。その頭にコーンがかぶさったら面白い。バナナの皮で滑ったら面白い。坂でブレーキをかけた自転車が一回転したら笑える。見ている人に感情が沸き立っても、物語なりうるらしい。

 

一旦まとめよう。登場人物の感情や心理を一人称で描写するのは物語だ。読者が、何かを見て感情が動くような光景も物語だ。
人以外は物語なりえないのだろうか?山や海。動物は?経験的判断によるなら、なりうると思う。神話とか。山が地震で崩壊して、2つの山になった。人ではなくとも、変化は物語みたいだ。あらゆるものが物語なのか。

 

物語を作っている人

なんで物語の話をしたかと言うと、単純に好きだからだ。特に生と死に関する物語。出会いと再会の物語。時空間を超える物語。これらの要素が含まれてるともう弱い。想像だけで勝手に泣けてくる。


読むのは好きだけど、自分自身で物語を作ったことはない。不思議なものだ。作るのが好きって言うのはどういう感情なんだろう。それとも好きじゃなくても作れる、のか。機械的に作る方法があるのだろうか。
あるいは作ってみた結果、好きになったってこと、なのか?ならば、やってみよう。そう思って頭を唸らせたことも何度か在る。やり方が間違っているのか?とにかく書いてみようという意思だけが空回りしてしまう。だから物語を書くすべての人を、いつも尊敬している。感謝しながら読んでいる。ありがとう。趣味で書いてようと、生活のために書いてようと全ての物語を作る人が素晴らしいと思う。

 

物語は記憶に残る

何かを教えるのに、単純な事実だけを伝えるのだと記憶をしなければならない。文字を覚えるって難しい。りんごは赤い。こんな短文ならすぐ覚えられる。
専門的な分野になって、リチウムイオンは液体電池の材料になるなぜなら~。と言われても、すぐに忘れてしまう。あらゆる人に関係する知識が物語のように伝達できたら、今までよりも遥かに多く覚えることができる。絵があって、音があって、ストーリーがある。子供時代は絵本で世界に触れ、紙芝居やアニメで多くのことを知る。擬人化されたものは、もっと世界を身近にしてくれるはずなのだ。


問題は誰がそれをするか、なのであって。誰かにしてもらいたいことは無数にあるが、じゃあ思い立った自分がやってみればいい。…そういう話もある。というか世界は多分そうやって回っている。

 

キャラクター

物語は起承転結とよく聞く。あまり信用していない。いろんな物語を今まで読んできた。その中で大事なのは、キャラクターのほうである。そう感じる。魅力的なキャラクターが動けば、何をしたって面白いのだ。多分。織田信長はたまたま戦国時代の大名であったように。信長が今の時代のサラリーマンでも面白いだろう。ホストでも警察でも、学生でも、内閣総理大臣でも、何しても面白そうじゃなかろうか。そんなに織田信長に詳しいわけじゃないが、キャラクター、というまるで全体の流れのおまけのように扱われる存在がじつは一番大事だと思う。


キャラクターは行動の主体者だ。同じ状況でも、キャラクターによって行動は全く変わる。考えも違うわけだから、当たり前の話、次に続く展開も変わろう。では、どうすれば魅力的なキャラクターを作れるか。やはり模倣だろうか?仮に作ったとしても、会話も、行動も、思想も、感情もそのキャラクターは持つ。彼らのあるがままに動く、その動きを必死に再現する。大変だ。こんな重労働も慣れ得てしまえばなんのその?作者には頭が上がらない。いつもありがとうございます。

 

ぼちぼち創作も楽しそうだなぁってやっぱ読者としては思うわけです。産みの苦しみが女性しか経験できない時代じゃないってわけで。